ある放課後、恋は、狐で飲むおいしい水が飲みたくなって、水道のある廊下で辺りを伺っていた。
宗介は先に帰って、美風ももう下校している。
だから二人に見つかって怒られる事はない、と恋は踏んだのである。
恋は、息を潜めて、人が居ないのを確認してから、水道の前で、ドロン!と変身した。
狐の姿で飲む水はおいしい。
恋が子狐の姿で水を飲んでいると、後ろから足音がして、ふいに体が浮き上がったと思うと、小狐は抱き上げられていた。
「キュンちゃん。どうしてここに居るのかしら?。記事にされるためかしら?」
小狐を抱いてそう独り言ちたのは伊鞠だった。
驚いた恋は、伊鞠の腕の中でじたばたしたが、伊鞠は恋を離さない。
伊鞠は水道のタップを閉めると狐の恋を抱いて部室に向かった。
