駅のホームの自販機で、美風は立ち止まってアイスを買った。
苺のフレーバーの棒付きアイスをひとつ恋に先に手渡してから、美風は自販機の受け取り口から自分の分を取った。
「学生のデートの醍醐味、安くてポップな物を食べる。」
恋がアイスを食べ始めるのを見ながら、美風が言った。
「こういうのって思い出になる。駅のホームで2人でアイスを食べた、ささやかな記憶づくり。帰りはファーストフードでも良いね。」
そして、
「新田さん食べながら歩くの似合うね。」
と笑った。
「そう?」
「学生でポップ。まさにそれ。はたから見たら僕も結構似合ってるんだろうな。学生と相性が良いんだ。」
「行儀悪いけど。」
「別に。ちょっと行儀悪いのって明るく見えるよ。元気になれる。もっとも、小さいからもう食べ終わっちゃうけど。手軽だよね。」
美風は食べ終わったアイスのゴミを駅のホームのゴミ箱に捨てた。
