美術室から今日の美風の様子をきゃいきゃい喋りながら女子達が出ていく。
最後に教室に残ったのは、美風とうららだった。
「美風様、私の事、あまり焦らさないでください。」
うららが美風の方を向いて、甘い声で言った。
「今日座談会の司会を務めたのだって、美風様のため。私が司会だと、会がスムーズに行くんです。私リーダーシップはある方なんですよ。」
「なんでも良いけど、終わって良かったよ。」
美風がため息をついて言った。
「馬鹿らしい。こんな座談会なんて。白王子って呼び方も失笑。僕の何がそんなに面白いんだか。」
「そんな事を言うなんて……」
「黃崎、キミも、あんまり僕を気にしない様にね。ちょっとおかしいから、親衛隊とかファンクラブって。一過性の物だったら気にならないけど。かなり怪しいよ。意味不明。」
「私は一生美風様一筋。怪しくなんかないですよ。」
うららが優しい声音で言った。
「親衛隊はいつも美風様の事を考えてます。学校でも、家でも、外でも。考えない時間なんてありません。」
「……。」
「その思いが報われるように、いつも祈ってます。私達も変わらないと。……お帰りは、気をつけて。ファンの事を少しでいいので思いやってくださいね。それが慰めなんですから。」
うららは美風がすぐに出られる様に教室のドアを開けた。


