「恋、年下と付き合う事、どう思います?」
駅前の大きな横断歩道を手を繋いで渡りながら、律が聞いた。
信号が青になった横断歩道は、人通りが多くて、もし手を繋いでいなければすぐお互いを見失ってしまいそうだ。
「恋愛の王道は年下彼氏と年上彼女ですよ。たった1個の差でも、それが大事なんです。この世界のバランスに、一番ぴったりなのが、年下彼氏と年上彼女なんですよ。」
「うーん、年下は……」
「年下だからって、舐めないでくださいね。その気になれば、僕はもう恋を傷つけることだって、壊してボロボロにする事だってできる。その反対をやりますけど。なんでそうかっていうと、大事で、大切にしたいからですよ。いとしいって思って、優しくしたいって思うからです。もう分かるでしょう?。僕の気持ち。」
「年下って、なんか頼りないイメージがある。」
「偏見です。頼ってくれて良いですよ。恋みたいに頼りないタイプにそう言われちゃおしまいだ。少なくとも僕は、上野さんや樋山さんと同じくらいにはあてにできますよ。変なの。何からそう思うんだか。そんな風に言われるなら、あーあ、僕もやっぱり恋と同じ年に生まれれば良かった。そしたら上野さんや樋山さんに、狐のチビ呼ばわりされませんもん。恋は僕をそんな風に言いませんよね?。僕はあの2人は嫌いです。本当に居なきゃ良かったのにって思いますよ。何でだか分からないなんて言わせませんからね。」
伊鞠と桂香は人混みに紛れて恋達の後をつけていた。
「ふうむ、似合いの2人に見えるわね。上野くんと樋山くんと向井くんで誰が一番似合うかしら。そういうネタを使って記事を作ってもいいわね。」
「……しっ」
「分かってる分かってる。でも彼女達に分かりっこないわよ。」
「……樋山派」
律と恋(とそれから後ろに伊鞠と桂香)は、角を曲がり、食べ物屋の路地に入った。


