新聞部は、黒白王子の握手会から、元の調子を取り戻し、宗介と美風の事を取材と称してまた追い回す様になった。
新聞部の部室。
伊鞠は恋達の三角関係の事件をファイリングしている所だった。
桂香は新しい記事を書きながら、激写!というポップを何色にしようか考えている所だった。
ファイルを眺めながら、テーブルの上で伊鞠が桂香をつついた。
桂香は顔を上げると、いつもの無表情な眼差しで伊鞠を振り返った。
「黒白王子の握手会からまだ少ししか経ってないけど、また新たなイベントを計画してるのよ。」
「……」
「白王子の握手会にファンの子大喜び。大反響で新聞に投書ドッサリ来て。また同じ様なイベントをやってくれないかって、何度も何度も打診されてる。どう思う?。」
「……黒王子は」
「この間は上野くんは講堂から逃げちゃったけど。この次は逃さないわ。絶対に、黒白王子のイベントを成功させて見せる。でも待って、そのためには何が必要かしら。」
「……」
「……」
桂香が顔を上げて宙を指した。
「……トラップ」
「よね!。罠を仕掛けるしかないわよね。今度はどうしようかしら。うまい具合に引っかかってくれるかしら。もしそうなったら呼び込み成功、グッズ大売れ、またまた影響力大になって西中新聞部冥利に尽きるってものだけど。」
「……健闘」
「がってん」
伊鞠と桂香はパチンとハイタッチをすると、次の目論見について意見を交換し始めた。
