事の経緯を話すと、宗介はだんだん眉を釣り上げた。
恋は慰められるかと思って居たのに、宗介は逆に腹を立てたのだ。
「お前が狐でとてとて歩いてるのが悪いんだろ。まったく。」
宗介が言った。
「狐になるなって前から言ってる。小狐が走らないで歩いてるのは目立つし、お前みたいなサイズの赤ちゃん狐は野生の動物からすると格好の餌食なんだから。不注意。いい加減にしな。どうしてそれ位分からないんだよ。」
「いつもは狙われないよ。」
「嘘だね。前にもあった。野良猫に絡まれて、今と同じ様な怪我して戻ってきた。覚えてなかったの?。その時も狐になるなって散々言ったのに。狐なんて喋れないし、不便だし。大体お前はちっこすぎるし。なんで人の姿でいないんだよ。」
「だって……」
あやかし狐の恋は、生まれつき狐になるのが好きだった。
実は狐の姿だとリラックスできる化学物質が体に沢山分泌されるからだったが、時々は人じゃなくて狐に生まれたかった、とすら思うのだった。
それを宗介に言いたいのだが、恋はうまく言葉にできなかった。
宗介は言った。
「もう、僕んち以外で狐になるのは禁止。こんな怪我までして僕を心配させて。約束。今度から狐で歩き回らないこと。反省しなね、恋。」
