「うーん、うま!。甘さが丁度いい!。」
「ほっぺた落ちそう!。このケーキの味!。」
「大味かと思ったら、結構繊細な味付けだね。コーヒーを飲むのに良いよ。ちょうどよく甘くて。」
宗介は3つ目のショートケーキを、理央は2つ目のフルーツケーキを、美風はベイクドのチーズケーキを食べていた。
「恋、どうしたんですか。食べて食べて。」
食事を抜いてきたという律は豪放磊落な食べっぷりで瞬く間に5つのケーキを平らげた。
恋は2つ目のガトーショコラをちまちま食べながら、ケーキってどうしてこんなにおいしいんだろうと頭の中で考えていた。
「僕、おいしいもの、恋と一緒に食べれて幸せです。加納さんって良い人だ。思うに新聞部の人達は僕の味方です。僕は絶対全種類制覇しますよ。」
律が宣言した。
「ほら、恋も一緒に。さあさあ。取りに行きましょうよ。」
「えっ私はまだ……」
律は食べかけのガトーショコラの載ったままの皿を取り上げて、勝手に恋の分のケーキ取りに行ってしまった。
慌てて恋が追ったが、時すでに遅しで、恋のお皿にはガトーショコラ以外のケーキがこんもり。
「こんなに食べれるかな。」
「情けないこと言って。取った以上は食べるんですよ。それが鉄則。さあ食べてください」
「……」
「おいしいですよ、全部。僕恋と全種類のケーキの味見の話するつもりで今日来てるんだから。気合入れて食べてください。僕自分の分も取って取ってこようっと。」
また慌ただしく席を立った律に、恋は皿に盛り付けられたケーキを食べ始めた。
