ホテルはお洒落なホテルで、ロビーは広く内装が美しかった。
恋たちは話をしながら小さな煉瓦のアーチの入り口からレストランに入った。
「7名様ですね。」
お盆を持ったエプロンを付けたウェイトレスが案内したのは、窓側のボックス席だった。
テーブルから見えるバイキングのケーキは、15種類ほどと沢山種類があり、どれも丁寧に飾り付けられておいしそうだった。
「おいしそう。甘い匂いがする。生クリームの飾り付けが可愛いね。」
「食べやすそうね。一つ一つが結構大きいのね。クリームのが10種類……。」
「この店当たりです。ケーキの種類が豊富で、仕事も丁寧だ。……今日はどれだけ食べられるか、そこが肝心です」
律が言った。
「最低でも10種類は食べること。元を必ず取る事。これは戦争です。僕はケーキバイキングはそういうものだと習いました。恋張り切って行きましょう。」
「向井はがめつい。ありえない。誰にそんな事習ったんだよ。そもそも加納先輩の奢りなんだからそこまで気を張る事ないだろ。みっともない。周りが居る事を考えろよ。」
「僕は自分のペースで食べるよ。今日は昼食べてきてお腹減ってないし。好きなケーキだけお洒落にゆっくり食べる事にするよ。向井は全部制覇すれば。見てるから。」
「恋、良いですか。今朝昼ちゃんと抜いてきたでしょうね?。何回も言いますけど元は必ず取る事。損だけはしないように。必ず全部1種類ずつ味見するんですよ。お得に食べるんです。」
「……」
恋達は他のお客さんに混じって今日のケーキを選び始めた。
