幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜



 

 
「恋恋、これすっごく可愛いよ!」


 学校帰り、恋と理央は制服のまま駅前のファッションビルの和服屋で、浴衣を見ていた。


「色んな浴衣があって迷うね。ひまわりとか薔薇模様とかはレトロに見える。金魚とか朝顔は爽やかで涼しげだね。奥にもっとあるみたい。恋今日お小遣い貰って来た?」

「貰って来た貰って来た。選んできなさいだって」

「私も。お母さんが今日好きなの決めて来なさいって。どれにしようか。和風と洋風どっちが良いかなあ。暑くない涼しい布地の奴があると良いのにね。ねえ恋あっちの帯も可愛いよ。」


 恋は、黄色の地に青い菊が描かれた浴衣と、薄いグリーンに細かいオレンジの鞠が描かれた浴衣を手に取って見比べた。


「あっ私これにする!」


 理央は結局、あやめ描かれた紫の浴衣をチョイスした。

 恋はパステルカラーの色んな色のシャボン玉が描かれた白地の浴衣を手に取って、決めた、と言った。