幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜






  


 恋達は、プールの帰りにプールサイドにある公園に寄った。

 公園には広いアスレチックがあり、お土産屋の売店のある店内の中には広く明るいロビーがあった。

 
「考えたんだけど」


 伊鞠が口を開いた。



「ここで鬼ごっこしたら楽しそうじゃない?。前からやってみたかった。みんなで鬼ごっこ。」

「先輩達いくつだと思ってんですか」



 宗介が呆れ顔で言った。


「あ、でも良いかも。してみたいかも。鬼ごっこ。」


 理央が言った。


「人数多いし、みんなでしない?。鬼2人にしようよ。タッチした人は全員鬼になるの。」


 理央が言って、恋達は鬼ごっこをすることになった。

 ジャンケンで負けたのは伊鞠と桂香だった。


「先輩達が鬼じゃ、僕たちは見計らって捕まるしかないな。走らないで歩かないと。どうやったって捕まえられないもん。女の子には。」

 
 美風が言った。

 
「鬼ごっこはそういう甘い物じゃねえ。俺は逃げるぜ。」


 多紀が言った。


「僕も見計らって捕まるわ。まったく。鬼ごっこなんて小等部でも滅多にやらなかったのに。なんで今さらやりたがるんだか。まったく。」


 そして鬼ごっこが始まった。

 鬼が20秒数えて、最初に捕まったのは明日香だった。
 明日香はアスレチックに逃げていった所を挟み撃ちされたのだ。
 次に捕まったのは美風だった。
 美風は店内の2階のロビーに居た所を桂香にハンデコールをされて(「ハンデ、ハンデ、ハンデ、ハンデ!」)ちょっと複雑な顔でそのまま捕まった。

 鬼が4人に増えたので、鬼ごっこは加速した。

 伊鞠に捕まった理央が今度は切符売り場の前で鉢合わせした宗介を捕まえた。