日曜日、恋と宗介がプールバッグを持って駅前の日時計の広場に向かって歩いて行くと、理央と美風はもう着いて先に待っていた。
「おはよう恋、上野くん。」
「おはよう新田さん」
「理央早いね」
恋が言うと理央は笑いながら、
「今日はみんなで行くからね。気合は入ってるんだ。そうそう、スペシャルゲストもお招きしたしね。」
と言った。
「誰を呼んだの?」
「恋!」
恋がキョロキョロしながら聞くと、駅の方から声がして、振り向くと、プールバッグを持った律が歩いて来るところだった。
「げ」
「なんで向井が居るんだよ」
宗介と美風が迷惑そうな顔をした。
「駒井って向井と知り合いだったっけ?」
「恋から聞いて。一個下の恋の仲良しだっていうから、誘うことにしたんだ。メル友でさ、会うのは初めて。噂に違わぬ美少年だね。今日はよろしくね、律くん。」
「よろしく。ね、恋、今日は一緒に手を繋いで泳ぎましょうよ。きっと楽しいですよ。」
「うざ。恋の彼氏は僕。狐のチビは引っ込んでろよ。」
「狐のって、上野くんどういう意味?」
次に明日香と多紀が連れ立ってやってきて、恋がそれで全員かと思っていたら、理央が手を振って否定した。
「誰?」
「ちょっと遅くなるかもって言ってたけど……」
理央が腕時計を見ていると、商店街の方から、見知った顔の2人がやってきたので、宗介はうんざりした顔をした。
「おはよう」
「……。」
そこに現れたのは。
「なんで加納先輩と石巻先輩が来るんだ」
美風が呟いた。
「駒井さんが呼んでくれたのよ。」
「チケットが余ってせっかくだからさ。先輩達も呼んだんだ」
「……」
桂香が胸に提げたカメラを撫でた。
「納得行かない。先輩達はもう高等部にあがって西中新聞部の活動はしないはずなのに。なんでカメラ持ってるんですか。僕たちの事撮っていいと思ってるんですか。」
「OBとして活動してるのよ。高等部は先生が厳しくて特ダネ漁れないから。今日はメインの三角関係の水着姿が撮れるから新しい記事にできる。そう思って来たの。」
「駒井、責任取ってくれるんだろうな?」
「何の?。良いじゃん良いじゃん。これで全員。今日は盛り上がって行こうよ。」
微妙顔をしている美風と迷惑そうな宗介と一緒に、恋は2人と並んで歩きながら電車に乗るため駅のホームへ向かった。
