幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜



 


 電車に乗ると、都内に近づくにつれ、道行く人の数が多くなって込んで来た。

 座る場所がなかったので三人で立って吊り革に掴まっていると、ガタンと音がして電車が走り出した。

 混み合った駅で、整った容姿をした恋も宗介も美風もかなり目立つらしかった。
 特に宗介と美風は、駅のホームで近くに固まっていたケータイを持った女子高生たちに、美形美形グッジョブと小声で囁き合われて苦笑いしていた。



 事務所は駅から出てすぐ近くのガラス張りのスタイリッシュな建物だった。
 入って行くと涼しくて、中に居る人はみんなお洒落で、恋は自分の住んでる県と都内の差を感じた。