幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始まる〜





 ロッジの外はお誂え向きに暗くなってきていた。

 木々の葉は黒く、風が吹くと、ざわざわと不気味な音がする。


 
 じゃんけんで勝って、恋は脅かし役に決まった。



「暗いね。恋、1人で大丈夫?。待ってるの怖くない?」

「大丈夫」

「すぐ誰か行くと思うよ。本式に脅かすと面白いかも。がんばってね。」



 恋達脅かし役は理央たちと分かれて、数名で道順に離れて散らばった。



 ところで脅かし役、と聞いて、恋は自分があやかしであることを思いついていた。

 誰かを脅かす、というのは、恋にとっては心踊るわくわくする事だった。

 恋は、体からはあやかしの印の光を出し、てのひらにはあやかしの火の玉を持つことに決めた。

 これでバッチリ、やって来た人は驚いてくれるだろう。

 草陰に隠れて、恋は脅かされ役が歩いてくるのをドキドキしながら待った。