「すっごーい!」
学校。朝のホームルーム前。
恋が律と海側の橋でスカウトされた事を話すと、理央が目を輝かせて声を上げた。
「じゃあ恋雑誌モデルになるの?。凄いね。恋って確かにすっごい綺麗だけど、私、なんかいつも一緒に居て麻痺してるからさ。上野くんとか樋山くんとか周りも超絶美麗だし。」
「駒井が良い奴で助かる」
宗介が口を開いて言った。
「そういうのに嫉妬する奴は嫉妬するから。駒井は本当に性格良いよな。誰からも好かれるよ。恋、なんでわざわざそんな事する気になったんだよ?。それから、僕が聞きたいのは、なんで向井とお前がその時一緒に居たかって事。どう申し開きするつもり?。」
「スカウトか……僕も都内行くとされるから行かないようにしてる。」
美風が複雑な顔で呟いた。
「僕は写真は撮られるんじゃなくて撮りたいんだ。モデルなら小さい頃頼まれてやってた事がある。簡単。黙ってポーズ取ってればすぐ終わるよ。着替えが何回もあって面倒だけど。その時僕はちょっと話題になって、インターネットでかなり検索されてたんだ。今でも探せば出てくると思う。」
「特別な血筋だと顔が綺麗なことがあるんだよ」
恋がため息まじりに言った。
「特別な血筋じゃなかったら、もっと違う顔だったかも。」
「血筋って、恋、遺伝の事じゃないんでしょ?。なんか特殊なの?恋って。」
「とにかく。僕は恋が雑誌モデルをするのは反対。」
宗介がきっぱり言った。
「関係ない人に、お前の笑った顔見られたくない。綺麗なのもひけらかさないほうが上品だと思う。無駄に目立つのどうかと思うし。女子に悪く言い出す奴が絶対居るし。自分の写真使われるってそういう事だよ。そうなったら面倒だろ。」
「僕は写真をそういう風に思った事はないけど、色んな人に顔を覚えられるのってちょっと大変だよ。滅多な事できなくなるし。僕がやった時は、ポスター貼られて、都内出掛けた時に指さされた。嫌な思い出。個人的には辞めたほうが良いと思うな。勧めない。」
「今度の日曜都内まで行くことになってるんだ。」
「ふーん。良いなあ羨ましい。私も1回されてみたいなあ、スカウト。」
「普通の人はされないだろ。」
美風が、僕も一緒に行っていい?と聞いた所でチャイムが鳴った。
