息を切らして最上階に付くと、ぽっかり穴の開いた空間上の不安定な吊り橋の向こうに、光る扉のような物があった。 「壊れそうだけどギリギリ行けそう。B型の魔法をかければ。」 美風が言った。 灰色の玉が飛んでくる。 「走れ!」 宗介は最後尾で応戦しながら恋に言ったが、恋は立ちすくんだ。 ────怖い。 吊り橋が怖くて渡れないのだ。 悪漢たちはすぐそこに迫っている。 「走れったら!」 宗介は恋を怒鳴り、悪漢に銀色の光を放った。悪漢たちはそこで崩れ落ち、倒れ込んだ。