幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始まる〜





 目的地に付いたバスはキャンプ場の駐車場へ入った。

 車から降りると、駐車場の青空の下に連なる背の高い緑の木々が辺りを囲んで居て、自然の香りが鼻先をくすぐった。



「ふー、最高」

「空気がおいしいねえ」


 自分たちの荷物を運びながら、多紀と理央が言った。



 着いたロッジは可愛い丸太小屋のデザインで、グループごとに別棟だった。
 寝室に広いフリースペースが付いていて、夜はそこでお喋りができる。



 恋がモタモタしていると、もう荷物を入れ終わっていた宗介が恋のボストンバックを持って、女子部屋の玄関まで運んでくれた。