幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜






 連絡が入った時宗介はまだ演習場にいた。
 演習場では、宗介も美風ももう指折りの名うての魔法使いになっていた。


 
「僕のショットは完成した。」


 演習場で美風が言った。


「言いたくないけど言う。お前もテクニックを磨かないと、万一僕が居なかったら、新田さんを守れないだろ。」

「僕は平気。もう完璧だ。」


 宗介が言った。


「恋には指一本触れさせない。僕は恋から離れない。お前のショットも無駄になったね。」


 と、話していたところで宗介のケータイが鳴った。

 
『もしもし上野さんですか?』


 相手は恋を保護している魔法協会の役員だった。
 
 
「え?。恋が?。分かりました、すぐ行きます。」


 宗介は顔をしかめるとケータイを切った。


「新田さんが何だって?」

「関係ない。樋山はここに居ろよ。」

「嫌だね。新田さんに関係があるなら僕にも関係がある。どうしたのか言えよ。」


 黙ったまま立ち上がって歩き出した宗介に、美風もついて歩き出した。