幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜




 
 しばらく行く途中で、そのガタンゴトンが急におかしくなりだした。
 キーキーと軋む音、シューシューと唸るような音。
 次第に音は大きくなって、汽車は停まってしまった様だ。
 3人は顔を見合わせた。


 
「何……?」

「どうしたんだろう?」

「動いてないな。何か問題が……」

 
 
 美風がそう言って座席を立ち上がった所で、車内放送が流れた。


『トラブル発生。トラブル発生。影のモンスター出現。』


「あ、そういうことね。」

 
 宗介が杖を手に立ち上がった。


 
「恋、ここに居な。ちょっと見に行ってくる。すぐだから。」

「僕も行く。」

 

 美風が言った。

 

「魔法覚醒者はできるだけ一般の人を助けなきゃいけないんだ。一般の人にとっては、モンスターって脅威だし。新田さん、良い?。ここから出ちゃ駄目だからね。」


 
 恋はおとなしく、外に出た二人を窓から見守っていた。

 影のモンスターは狼型で、汽車の手前の方に居た。

 恋が見ていると宗介が放った銀色の光が、ここから見ると小さく見えるモンスターに直撃し、モンスターは消滅した様だった。

 美風が魔法のピストルを持った車掌と話をしていた。