幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始動する〜






 シェルターは広大な地下世界だった。様々なお店もレクリエーション施設も、全部が地下に揃っている。
 地下世界の説明を終えると会長はまたエレベーターを使って恋達をマンションへ案内した。


「ここが当面暮らしていただくマンションです。」

 
 扉を開けて会長が言った。
 ベージュが基調の明るく広いマンション。


 
「3部屋に個別にトイレとバスルームが付いていますが、女性の方は別部屋の方が良いですか?」

「一緒で良いです。」


 
 宗介が言った。


 
「部屋よりも、僕たちは早く帰る方法を探しているんですけど。」

「まあまあそう慌てず。中にキッチンとそれから広いランドリールームがあります。」


  
 マンションのリビングに立って、会長がそこまで言った所でドアのチャイムが鳴った。


 美風がドアを開けた。

 すると、茶色い髪のきれいな顔立ちの男の子が立っていて、いきなり


「恋!」

 
 と恋を呼んだ。


「恋!会いたかった。僕もだよ。僕もあやかし狐!。」

 
 そう言うと、男の子はドロン!と狐に変身した。