幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係が始まる〜








 間もなく門の向こうから要人を乗せる様な高級な車がやって来た。
 魔法協会の広い庭に停まった車から、運転手ともう一人が出てきた。

 
「魔法協会の役員です」

 
 役員の男の人は名刺を宗介に手渡した。


 
「異世界人さんはみんな魔法協会で保護しています。悪いようにはされません。ご安心ください。」


 3人は車に乗り込んだ。


 車の中で、役員さんは話をした。


 
「異世界人さんということでしたが、今回はどのようにしてこの世界に来られたのですか?」

「巻き込まれたんです、爆発に。気が付いたら図書館が森に変わってて。」

「それはそれは……大変でしたね。珍しい話ですが、この世界には時々ある事です。」


 
 そして役員さんは杖についても聞いた。


 
「ところで……異世界人特有の、魔法覚醒はされましたか?」

「ああ、銀色の光の出る杖ですか?。いきなり現れて、まだ持ってます」

「それは羨ましい……魔法覚醒者は大事にされます。協会で手厚く保護して貰えますよ。」

「この世界にはモンスターが居るんですか?」

「影のモンスターと呼ばれる狼型のモンスターが沢山居ます。厄介ですね。だからシェルターは奪い合いです。普通の人達は、魔法を使えないので危険なんです。」