宗介が待ち合わせ場所の日時計の駅前に行くと、美風がもう先に着いて待っていた。 美風は花壇の日時計のベンチに座ってケータイを開いていた。 美風は宗介の姿を見ると、つまらなそうに目を伏せて、無言で持っていたケータイをいじった。 美風は何も言わなかった。 宗介は美風から離れてベンチに座った。 宗介もポケットからケータイを出し、美風を無視して画面に集中する。 「……」 「……」 通り過ぎる人は、誰も二人を知り合いだとは思わなかった。