「しょうがないだろ。人の好みなんだから。何を言ったって。」
宗介の家。
学校から帰って、恋が宗介に明日香の事を言うと、宗介は呆れ顔で言った。
「キャラメルが最高。甘いし栄養あるし、名前もかわいいし。」
「一般的にはお前の言う通り、美味しいお菓子っって言われてるよ。もうちょっと甘さが控えめだったら、僕も別に嫌いじゃない。確かにちょっと甘すぎて、普段は食べる気しないけど。っていうか味覚は人それぞれだから。」
「不思議。何でみんなキャラメルを一番好きじゃないんだろう。変。」
「一番じゃないだけだよ。チョコの方が確かに人気だ。使い道多いし。身近だし。それに沢山売ってるしね。確かに種類の多さからすると田山とか駒井の方がメジャーだよ。」
宗介はテーブルのお茶を取ると一口呑んだ。
「しょうがないだろ。田山はそういう好みなんだろうし。気にしたって無益だよ。」
「だからって……」
「別に言いたい訳じゃないけど、キャラメルって甘すぎて、嫌だっていう人も結構居るしね。諦めな。」
まだ不満げな恋に、宗介は話を変えた。
「そういや、ほんっと腹立つ。学校の壁新聞に、また僕達が勝手に使われてた。記事には僕と樋山の事が恋と絡んで沢山書かれてて、あることないことばっか。どうにかなんない?。新聞部。あの先輩達。」
「仮入部の時のやつ?」
「そう。袴を着た写真を載せたかったらしくて、バカでかく引き伸ばされた僕と樋山が映ってた。二人三脚で引っ張り過ぎなんだよ。どうかしてる。うんざりだ。自分達が何やってるか分からないのかな。くだらないことばっか書いて。」
「確かに。あの人達変わってるよね。」
「僕は肖像権を主張する。あんな安いゴシップのネタにされたくない。恋も、あんな記事に構うなよ。女子たちは喜んでるけど、男はみんな馬鹿だと思ってるからな。いい加減にして欲しい。何が甘酸っぱい1ページだ、ったく。あーアホくさ。」
宗介はコップのお茶を一口飲むと今度はこう切り出した。
「そうそう、今度、ショッピングモールを見に行くから、恋、ちゃんと準備しとけよ。」
「ショッピングモール?。何しに?。」
「デートに決まってるだろ。フルーツのアイスクリームフェアをやってるから、お前を連れて行く。今季節だし、名産のシャーベットを食べさせてあげるよ。楽しみにしてなね。」
「本当?」
恋は、気分を切り替えて、宗介とまた違う話を始めた。
