天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「かける、壱嘉、様子はどうだ……?」
「誰も出てこないです。おそらく2人の部屋の周りにやつらは固まってます。」


「大地の身が心配だな……相手が女とはいえヤクザの関係者だ。大地を殺しにかかるかもしれない……心、どうする?」



「お前らに……言ってなかったことがある。」
「……?」


「これは亜魔野組の上層部、叔父貴、俺しか知らないことだ。もちろん他言は許されない。だが、この事態に陥ったからには知っておくべきだ。大地が殺されることはありえない……絶対に。」


「は…?なんの自信があってそんなことを……。」
「四霊組には隠し子がいる。その子供は幼いころ母親に棄てられ、堅気の人間の養子として育った。自分がヤクザの家の生まれだったことも知らない。だが、しっかりと四霊組の血を受け継いでいた。だから俺は奴を組に引き入れた。」


「奴ってまさか……。」


「四霊組の正式な後釜候補、その名は大地。」




大地くんが……四霊組の正式な後継者……?




心さんの言葉に驚きを隠せません。でも……これで繋がった気がします。大地くんがティッシュを受け取った理由、お店の女性に襲われたこと……四霊組の関係者が囲うこの状況……





「大地くんを取り戻す気なんですね……。」
「おそらくな……亜魔野組が大地を引き抜いたのは偶然じゃなかった。大地の生まれを知って俺が探した。それをどこかで知ったのなら……亜魔野組との関係性が変わる。四霊組が考えている行動は次の二つ。第一は大地を間に挟んだ友好的関係、そしてもう一つは亜魔野組、いや…それだけじゃない。亜魔野組の領域(しま)全てを奪う戦争だ。堅気だろうと関係なく人を殺し、仕事の場を増やす気だろう。大地の選択で全てが変わる。天国か地獄……この時代の王者が決まる。」