高瀬くんがいなくなって、呆然としたまま生活していた。
高瀬くんのいた痕跡は歯ブラシにいたるまで家から消え去っていた。高瀬くんにあげたウインドブレーカーも、お揃いのカチューシャも、すべて。
唯一手に残ったのは高瀬くんからの手紙と、左手につけられたミサンガだった。
記憶も薄れていくことはなかった。どこまでも優しい、次元の神様である。
しかし記憶が薄れない、というのは辛いことでもあった。
朝起きて、おはようと言う相手がいない。
いただきます、と前で手を揃える人はいない。
仕事終わりに迎えに来てくれる高瀬くんがいない。素振りをしている高瀬くんがいない。
元々そうだった暮らしが、すごく薄っぺらで寂しいものに感じた。
「今夜の金ロー、アクション系だって! 高瀬く……」
喋りかけても答えてくれる人はいない。
きちんとお別れをしたのに、もう二度と会えないという現実が私の心に突き刺さる。
高瀬くんは無事に元の世界へ帰れたのだろうか?
野球に影響は出ていないだろうか?
……自分のことを覚えているのだろうか?
そんなことばかり考える日々が続いた、一ヶ月後。
高瀬くんがいる間は休載していた『闘魂』の更新日の零時ちょうどにウェブで確認して、高瀬くんが描かれていたときは本当にほっとした。
と同時に、ようやく心の底から『これでよかったのだ』と思えるようになった。
それでも、時折あの温もりを思い出してしまう。高瀬くんがくれた人がいる温かさを、夢を、前向きさを。
それくらいあの三ヶ月は、大きい時間だった。
高瀬くんのいた痕跡は歯ブラシにいたるまで家から消え去っていた。高瀬くんにあげたウインドブレーカーも、お揃いのカチューシャも、すべて。
唯一手に残ったのは高瀬くんからの手紙と、左手につけられたミサンガだった。
記憶も薄れていくことはなかった。どこまでも優しい、次元の神様である。
しかし記憶が薄れない、というのは辛いことでもあった。
朝起きて、おはようと言う相手がいない。
いただきます、と前で手を揃える人はいない。
仕事終わりに迎えに来てくれる高瀬くんがいない。素振りをしている高瀬くんがいない。
元々そうだった暮らしが、すごく薄っぺらで寂しいものに感じた。
「今夜の金ロー、アクション系だって! 高瀬く……」
喋りかけても答えてくれる人はいない。
きちんとお別れをしたのに、もう二度と会えないという現実が私の心に突き刺さる。
高瀬くんは無事に元の世界へ帰れたのだろうか?
野球に影響は出ていないだろうか?
……自分のことを覚えているのだろうか?
そんなことばかり考える日々が続いた、一ヶ月後。
高瀬くんがいる間は休載していた『闘魂』の更新日の零時ちょうどにウェブで確認して、高瀬くんが描かれていたときは本当にほっとした。
と同時に、ようやく心の底から『これでよかったのだ』と思えるようになった。
それでも、時折あの温もりを思い出してしまう。高瀬くんがくれた人がいる温かさを、夢を、前向きさを。
それくらいあの三ヶ月は、大きい時間だった。
