「多分これからからはここにはもう来ないから、最後の眺めになるかも」
近くのベンチに座り、建物を見つめるフウ。
「最後とは言わずまた来たら良いのに」
ここが好きな私にとって、フウがもうこれからここに来ないつもりなのは悲しかった。
「もういいよ。人生をやり直すためにも、過去とは縁を切るんだから、住んだことがある場所にはもう二度と行かない」
フウはもう決めてしまったのだろう。
私や楓、それからユウと一緒に過ごしていた時代から『ハッカスイ』として行動していた今までを、無かったことにするって。
だからこそもうここへはフウは来ない。その事実は変えられない。



