「華恋は知らなくていいことだ。はい、もう帰った、帰った」 質問には答えず、家へ入るためなのかドアに手をかけるおじさん。 「ちょっと待ってください。華恋さんにとっては唯一の兄です。その兄が亡くなったのだから理由を知りたいのは当然ですし、お墓の場所だって知りたいはずです」 紺夏さんがおじさんの手をつかむ。どちらかというとおとなしそうな紺夏さんがこのように動くとは思わなかったので、私は思わず固まる。