マジックアワー

  別の日。
  病室に沙耶がいるのを確認して、瞬は、病室の入り口をコンコン、とノックした。
  沙耶が振り向く。瞬を見るなり、その顔がぱあっと明るくなって、瞬は心の中でガッツポーズをした。
  「沙耶どっか行きたいとこない?観たい映画とか」
  うーん、と沙耶が考え込むようにしてから、何かに気がついて顔をあげる。
  「それってもしかしてデートのお誘い?」
  「そう」
  「デート?」
  沙耶が顔を輝かせる。
  「デート。沙耶ちゃん、俺とデートしませんか?」
  「はい、します」
  沙耶がニコって笑って頷く。可愛いなぁ、と瞬は思った。