ープロローグー

自分はXジェンダーである。
体は女だが、心は男でも女でもない。
決めたことも考えたこともない。

それはみんなの言う“普通”ではなくて。
女の子の自分は一人称は“私”であり、ズボンではなくスカートやワンピースなどのかわいいものが好きなはず。
でも、僕は違う。

普通ではない僕をみんなが変だと言う。
だから、僕は“女の子”でいるようにした。

でも、僕を変えてくれたのはキミだった。
僕がXジェンダーであることに誇りを持てた理由は、同じXジェンダーのキミにあった。

『僕はXジェンダーです。
体は女だけど、心は男でも女でもない。
自分は自分なんだって胸張って言えるよ。
みんな幸せにしてあげる!
あさひについてこーい!!』

彼の存在は僕を救った。
そんな彼が消えたら、自分は生きていけないのだと思っていた。

でも、そんなことはないよ。


これは彼に救われた僕と推しの、切なくて大切な物語。

***

僕は心の性を持たないXジェンダー。
体は女だから、普段は一人称も“私”だしごく一般的な女の子として過ごしている。
このことは家族にも打ち明けたことがない。
というより、気にしたことがないんだろう。
それは、推しのおかげ。

***

僕は櫻川楓乃(さくらがわかの)
そこらへんにある普通の市立中学校に通う、中学2年生の女の子。

「楓乃。今日元気ない?」

不意にお母さんにそう聞かれて、私は顔をあげた。
ななめ右を見れば、そこにはいつものお母さんの顔があった。
6歳になった妹の聖菜(せな)も、心配そうに私を見ている。

「ううん。大丈夫。まあ、何かあるとしたら今日のテスト返しかな〜」

そうやって、いつもの調子で答える。
つい先週、2学期の期末テストが終わったところ。
ほとんどの教科が今日返ってくる。

僕は数学と社会に自信があるんだけど、今回はそれ以外全然ダメで。
もうドキドキだよね!
いろんな意味で…。

「そう。まあ、楓乃には期待してるからさ!大丈夫だよ」

そう言ってお母さんがはげましてくれる。
いつもは期待が重苦しくとも、時間が経てばそんなものはなくなる。
だって僕には推しがいるんだもの。

「うん、ありがとう。ごちそうさま」

そう言って私は席を立った。
ちょうど朝ごはんを食べ終えたところ。
僕はちょっとしたお腹の病気を持っていて、ご飯を食べすぎるとお腹が痛くなっちゃうんだよね。
食べることが大好きなのに、ひどいよね。
だから今日も少なめ。
それから制服に着替えて荷物のチェックをする。

「よし、忘れ物なし!」

ひとり言をつぶやき、僕はリュックを背負った。
いつもテスト返しの日は足が重い。
普段、テストはどれもこれも80点代でいい点数とは言えない。
周りからしたら十分とっているように見えるかもだけど、僕は県内では意外と有名な難関高を狙っているから。
通知表も5と4だけだけど、まだまだ努力が足りないと思ってる。

「いってきまーす!」

大きな声でそう言って、僕は玄関のドアを開けて外に出た。
今日も一日頑張ります。

***

家に帰ってきて早々にリュックを置いて、手を洗いにいく。
今日も気分が悪い。
まさかお腹があんなにも痛くなって担架(たんか)で運ばれるなんてさ。

あ〜あ、嫌だな。
テストの点数も低かったし。
あの国語の先生のテスト難しいんだもん。
人のせいにしちゃいけないと分かっていても、そうしたくなるのが人間だ。
今は不満をぶつけさせてくれ。

その後、僕は勉強もせずスマホをいじり出した。
最近ハマっているのは旧ツイッターを見ること。
推しのアカウントとか、推し活友達とかとDMを送りあったりしてる。

ちなみに、僕の推しというのは「あさひ」という歌い手の人だ。
ブラヴールというグループに所属している。
グループ名の意味はフランス語で“勇気”なんだって。

メンバーは最年少リーダーのピンク担当Ritoくん、ちょっとチャラい黄色担当のいつきくん、ほんわか系の赤色担当睦月せなくん、天然でいじられキャラの紫担当あゆむん、そして僕の最推しの水色担当Asahiくん。
僕はりとくん、いつくん、せなさん、あゆくん、あさひくんと呼んでいる。

彼らはほとんど学生だ。
最年少のりとくんは中学3年生で、最年長のあゆくんは19歳。
みんなすごく若くて、でもこうやって活動をやっていることをすごく尊敬してる。

僕はスマホの画面をスクロールする。
そこで、僕は違和感に気がついた。

「あれ…?今日、ブラヴールのメンバー投稿少ない?ていうか、事務所の方もだ」

ブラヴールは大きな事務所に所属していて、僕は最近事務所の箱推しみたいになってきてる。
だから、ブラヴール以外のグループもフォローして投稿をチェックしてるんだけど——。

「どうしたんだろう?」

小さな違和感を抱きながら、僕はスマホの画面を閉じて勉強を始めた。

***

「ごちそうさまでした」

夕食が食べ終わって、僕はまたすぐにスマホをいじり出す。
今日は投稿が少なかったし、あの後いろいろ投稿されてるかもしれないよね。
そう思って旧ツイッターを開く。

最初に僕の目に飛び込んできたのは、ブラヴールリーダーのりとくんの投稿。
あさひくんの投稿も一緒に貼ってある。
真っ白い紙に長々と書かれた文字。

僕はゆっくりとその画像をタップした。

『メンバーの卒業について』

最初に書かれた文。
そのまま下へと視線を移し、文字をゆっくりと読んでいく。

ドクン、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。

不安が押し寄せてくる。

『突然の報告になってしまって申し訳ありません。
ブラヴール水色担当Asahiの卒業についてです。
本人より数ヶ月前から「自分のやりたいことを見つけた。それに挑戦したい。」ということをメンバーに伝えてきました。
「自分のやりたいことはここではできない」と。
その後メンバー内で言い争いまでした結果、それでも最後にはAsahiを送り出すことを決意しました。
突然のことでショックを受けた方も、まだ受け入れきれない人も沢山いることでしょう。
本日20時より行う生配信にて、メンバーから話をします。
どうか、Asahiをこれからも見守ってください。
ブラヴールメンバー 一同』

嘘、嘘だよ。

ねえ、冗談だよね?

ドッキリだよ、違うよ、あさひくんは卒業なんてしないよ。

受け入れられるわけがなかった。
確かに推してきた期間はたったの11ヶ月で短いよ。
でも、あさひくんを大好きでいた日々は本物だった。
だから、受け入れたくなかった。

その時不意に時間が気になって時計を見る。
時間は19時半近く。
まだ、間に合う。
その一心で、僕はお父さんに近寄った。

「あのさ…っ。今日、8時から配信見ていいかな?」

「ど、どうしたの楓乃。そんな顔して」

お父さんの隣に座るお母さんは、心配そうな顔で私を見てくる。
私は眉間(みけん)にしわをよせる。

「えっと……。ただ、配信見たいなって」

「まあ、いいんじゃない?それよりもどうしたのよ」

少し怒ったような声色で言われて、私は誤魔化そうと思った。
正直に言ったって、何を言われるか分かってる。

『なんだそんなこと』

って言うに決まってる。

「楓乃!どうしたのって聞いてるのよ!!」

圧をかける言い方に耐えられなくなって、私はポツリと言った。

「今度の3月末に行くライブのグループのメンバーが脱退するって。それで、どうしても見たいの…」

実はブラヴールは今回初のホールライブを決めていて、僕は一次プレオーダーで当選したのだ。
私はいつのまにか涙を流していた。
泣くつもりなんてなかったのに。
それに追い打ちをかけるように、お母さんとお父さんは言った。

「ああ、そうなのね。何かあったのかと思った」

「そんなことで泣くなよ」

ふたりとも娘が泣いているというのにひどいよ。
でも、私は何も言えない。

「そうだね、ごめん。お風呂入ってくるね」

まだお風呂にも入っていない僕は、いそいそと服をとりに2階へとあがっていった。
私はまた涙を流す。
そんなことってなんだよ、何かあったってなんだよ。
泣くほど悲しいのに、それがなんともないと思ってるのか?
両親は心底(しんそこ)僕のことなどどうでもいいのだと、思い知らされた気がした。

僕は涙を流し続けながら風呂に入り、シャワーで感情ごと流れることを望んだ。

両親なんて大嫌いだ。

***

お風呂からあがって髪の毛を乾かし終わった僕は、スマホだけ持ってリビングのドアの前で立ち止まる。

「じゃあ、2階で見てくるから」

その言葉にもちろん返事はなかったけどそれでいい。
今の僕には、それでよかった。

僕はスマホを開きながら階段をあがる。
通知のところには、一件のメールが届いていることを知らせるマークが。
誰だろうと思いながらも、メールを開く。
「あいりさん」と表示されているのを見て、僕はすぐに内容を確認した。

あいりさんはSNSで知り合った社会人の女性だ。
ライブ会場で会ったことがあって、その時にメアドを交換した。
住んでいるのは北海道で遠いからなかなか来れないんだけど、それでもすごく仲がいい。
メールの内容は——。

『あさちの脱退聞いて、すごく動揺してる』

あさちというのは、あさひくんファンからの愛称だ。
あいりさんの最推しは確かブラヴールではなかったはずだが、それでも推しのひとりが脱退するという話は入ってきたのだろう。
僕はすぐに返信をする。

『うん…私も。
今から配信見るところなんだ』

気がつけば時間は8時6分で、すでに配信は始まっている時間だ。
僕は大急ぎでユーチューブをつける。
配信場所に集まっているのはたったの1162人。
こんなにも大事な配信なのに、60万もいるファンは集まらないのだとどこか悲しく思いながら。
パッと画面に映り、リーダーのりとくんの声が耳に届く。

「そうだね。そんなこんなで、あさひは卒業を決めました。確かにずっとメンバー内で口論もしたし、たくさん引きとめたけど最終的にはあさひの背中を押すことを決めました」

いつものかわいい系のふわふわした声ではなく、すごく真剣な声でそう言ったりとくん。
僕は画面に食いつく。

「それじゃあ、メンバーからひとことずつもらおうか。まずはあさひから」

ドクンッと大きく心臓が音を立てた。
あさひくん、なんて言うんだろう。
まだどこかで、ドッキリなんじゃないかって思ってる自分がいる。
でもファンである自分が1番、そんなことしない人だって分かってるんだ。

そして、彼の口から語られる。

「まずは、突然の報告になってしまってすみません。みなさんを驚かせてしまって…。でも、ここに書いてあることは全て本心です」

画面上に出ている、僕が旧ツイッターでも見たこの紙の内容を言っているのだろう。

「ここで自分の夢を叶えられる方法ってゆうのを、考えてた時期もあったんよね。でも、やっぱりここじゃ叶えられないって思った。でも、それで自分の夢を諦めるのは…せっかく見つけた夢を叶えられないのは嫌だと思った。だから、今回のことを決めました。メンバーに話をした時、なんでってすっごい引きとめられました。口論もたくさんしたし、でも最終的には僕の背中を押してくれるって言ってくれたんです。だから、僕は絶対夢を叶えたいんです。すぐに受け入れるってのはやっぱり無理って人が多いと思うから、少しずつでいいから受け入れてってほしい。そして、次のライブでAsahiとしてのライブは最後になります。4ヶ月後、僕は芸能界からいなくなります。だけど、なるべく寂しい思いはさせたくない。これから4ヶ月はまだAsahiのファンとしていてください。これからもよろしくな!」

関西弁混じりで言われたその言葉は、全部紛れもなくあさひくんの本心だったと思う。
だから、受け入れてあげたい。
いちファンとして彼の背中を押せるファンになってあげたい。
そう固く決意できた気がした。

「はい。じゃあ、次はせなくん」

「…はい。じゃあ、僕からも謝らせてください。最後まであさちを引きとめられなくてごめんなさい。ここまでたくさん言い合ったりして、最終的にはこういう決断をメンバー全員でしました。やっぱりあさちがいなくなるのは寂しいし、今もまだ後悔はたくさん残ってます。でも、あさちが決めたことだから。友達としてあさちのこと応援したいなって気持ちも本当です。まだまだ受け入れられない人だって多いと思いますけど、どうかあさちを応援してほしい。それが、僕の気持ちです」

そうだよね、当たり前だ。
彼らは今年で9周年を迎えるんだ。
後悔が残らないわけがないんだ。
でも、せなさんの言う通りで背中を押してあげたい気持ちも本物だよね。

「はい。じゃあ、次はいつきくん」

「はい。えっと…まあ、はい。そうですね、やっぱり後悔…が大きいですかね。最後まで引きとめられなかったこと、この決断をしてよかったのかって思う日もたくさんありました。でも、やっぱりあさひが決めたことだし俺らは応援してあげなきゃなのかなって。メンバーとか、今だって本人が1番不安な気持ちを持ってると思う。でも、こうやって言ってくれたのは俺達を信じてるからだよね?だったら、応えてあげなきゃって思っちゃうんだ。だから、ブラリスのみんなもあさひを応援してあげてね。俺からは以上です」

ブラリスというのは、ブラヴールのリスナーのこと。
いつくんはリスナーみんなに、あさひくんを応援してほしいって思ってるんだ。
すごくあさひくんに向き合ってくれてるんだと思うと、なんだか嬉しかった。
みんなが前向きになってくれるといいな。

「はい。じゃあ次はあゆむん」

「はい。えっと、みんなにいろいろ言われちゃったんですけど。俺からも言わせてください。今回あさひの脱退は自分でも全然受け入れられてなくて、いまだに引きとめたい気持ちと後悔がたくさん残ってます。でも、やっぱり最後には背中を押してくって選択肢を取った。だから、これからずっとあさひの味方でいれたらなって思います。ブラリスのみんなも、あさひの気持ちをしっかり聞いて向き合ってほしい。それで、あさひがいなくなってしまったブラヴールも応援してほしい。わがままかもだけど。どうかこれからもよろしくお願いします」

あゆくんもまだ受け入れきれてないんだ。
でも、突然メンバーが抜けるってすごく悲しいことだから普通だよね。
それなのに前を向いていけるあゆくんはすごいな、と感心した。

「はい。じゃあ最後に僕から」

少しの沈黙の後、りとくんが話し出した。

「最後まであさひを引きとめられなくてごめんなさい。他のメンバーと同じく、僕もまだ後悔がたくさん残ってます。これからも…っ、あさひとは一緒にいれるって思ってたからっ…。すごく、悲しくって」

途中、りとくんの声がすごくかすれた。
泣いているのだと分かった。

「あさひとは本当の双子みたいに一緒に過ごしてきて、今は自分が半分欠けてしまったような気分です。……っ、ファンの子達も僕達と同じでまだ受け入れられていない人や、ショックが大きい人がたくさんいると思います。でも、僕達と同じようにあさひの背中を押してくれる日を願って。土曜の公式配信からはもうこの話は話題に出しません。残り4ヶ月、9周年の日まで僕らは同じ目標に向かって走り続けます。その後4人になった、あさひのいない“ブラヴール”を応援することはできないって言う人もいると思います。でも、僕達は走り続けます。どうか応援をよろしくお願いします」

リーダーとして素敵な言葉だった。
あさひくんと1番仲がよかったりとくんは、ショックもすごく大きいと思う。
だけど、ファンのみんなのこともすごく考えてくれて。
なによりあさひくんをとても想ってくれてる。

本当に素敵なグループだ。

ブラヴールを見つけて、ここまで推し続けられてよかったと思う。
その後簡単な挨拶を終えて、配信は終了となった。

僕はふぅ…と一息つく。
それから、スマホの画面を見た。
あいりさんからのメールはなし。
それでも、今の気持ちを共感したいと思いメールを送った。

『配信見終わった。
やっぱりあさひくんが卒業するのは悲しいけど、あさひくんの背中を押していけるファンになりたいって思ったよ。
ライブが当たって本当によかった。』

あさひくんはピアノが大好きで、ライブではよくピアノを弾いてくれるらしい。
それを聞きたいとずっと思っていたから。
ライブに行くのは最初で最後。

あさひくんに会えるのも——。

ピロン。
メールの返信がきたみたい。
僕はあいりさんからのメールを確認する。

『うん、そうだね。
私も寂しいけどかのちゃんに賛成。
私の分もライブ楽しんでね!』

僕はかすかに口角をあげた。

『分かった!
任せてね!』

『よろしくお願いします。』

私はスマホの画面を閉じて、下の階に降りていった。
涙は止まらなかったけれど、僕の心は前を向いていた。

これからもよろしく、そして4ヶ月後さよならだ。


出会えてよかった、大好きだよAsahiくん。


ーエピローグー

9周年を迎えた4ヶ月後たったひとりの大切な人がグループを脱退し、芸能界に姿を見せなくなった。
彼を失った私はどうなるのか、何度も考えたことはあった。

けれど、実際そうなってみると案外にも前向きに考えられるようで。
僕は今楽しく生活ができている。
あさひくんが脱退すると聞いた1週間は、やはり辛くて何度も彼を引きとめられないかと考えた。

けれど、僕は決意したのだ。
あさひくんのファンとして彼の背中を押すと。
止まらない涙は我慢せず流し続けた。
行かないでと何度もつぶやいた。
でも、そんな日々はいつのまにかなくなった。

だって僕はあさひくんが大好きなファンのひとりだから。

離れていくファンもいたけれど、僕はあさひくんが脱退したブラヴールも推し続けている。
そして、僕は彼の後を追っている。
彼が導いてくれた道を進む。

今は女の子ではなく男の子として生活している。
でも、女の子の時もある。
地雷系の服とメイクが大好きなXジェンダー、女の子でも男の子でもあるそれが“俺”。

「初めまして〜!中性歌い手のSuiです。みんなよろしくな!」

キミにもらった夢を追い続ける。
キミが見た景色をこの目で見たい。


これは大切な存在を失い、宝物を見つけた俺の物語。


after world ーあとがきー

初めましての人も久しぶりの人もこんにちは、叶芽夢雨(カナメユウ)です。
今回のお話「大切なものを失い、宝物を見つけた」はどうでしたか?
推しが大好きで、その存在に救われた楓乃。
きっとAsahiの背中を押すのは簡単じゃなかったはずです。
けれど、彼女は決意した。
メンバーの言葉には私も感動しちゃいました(笑)
ひとりひとりがAsahiを想って語る言葉はどれも素敵で、楓乃の心に影響を与えたのですね。
Asahiの脱退により新たな夢を見つけた楓乃。
歌い手という夢。
彼女にとってそれはAsahiのいた大切な場所であり、宝物のような記憶なんです。
Suiとしてどのように生きていくのかは物語の先へ進まないと、答えはわかりません。
しかし、想像してみてください。
きっとたくさんの辛いことに立ち向かっていることでしょう。
大切なものを失った傷と、与えられた宝物によって楓乃は成長しました。
どうか楓乃を応援してあげてください。

それでは、また会える日を楽しみにしています。
皆様に最大の愛と感謝を込めて——。

叶芽夢雨 2025年12月6日完結