昼休み、教室の窓から差し込む光が教科書に反射してチカチカと眩しい。
私は友達と話していたが、胸の奥が落ち着かない。背後に、あの視線を感じるからだ。

「ひまり」
振り返ると、蓮が教室の端に立っていた。低く響く声に、思わず心臓が跳ねる。

「え、あ……」
声が小さくなる。私の手は自然と机の下に隠れた。

蓮は教室に入ってくると、私の席まで歩き、さっと腕を回して隣に座らせる。
「俺の姫は、誰にも渡さない」
低く響く声、鋭い視線。心臓がぎゅっと締め付けられる。

周囲のクラスメイトたちがちらちらと私たちを見ている。
「え……？ 総長の……？」
友達の小さな声に、思わず顔が熱くなる。

「ひまり、今日は俺のそばから離れるな」
囁くように言い、私の手を握る。手の熱が伝わって、自然と私も彼の腕に寄り添ってしまう。

放課後。校庭に出ると、蓮は周囲の視線を気にせず、私を自分の隣に座らせた。
「俺の姫だ。絶対に誰にも渡さない」
その瞳は独占欲で光り、私をじっと見つめる。

――怖いけど……守られる安心感が強くて、心がふわりと甘くなる。
「そ、そんな……」
少し恥ずかしくて困惑するのに、なぜか胸の奥は温かい。

蓮は私の髪をそっと撫で、低く笑った。
「俺の姫は、俺だけのものだ。誰が何と言おうと守る」

心臓が高鳴る。怖いけど、嬉しい。独占されることで感じる、甘くて熱い感覚に私は静かに身を任せるしかなかった。

――この人の姫でいる限り、怖いこともあるけど、守られる喜びもあるんだ。

夕陽に照らされた蓮の瞳が、独占欲と愛情で輝いているのを見て、私は小さく頷いた。
――逃げられない、でも……少し幸せ。