今日は黒薔薇組の集会に、蓮先輩と一緒に参加する日。
 普段は見ることのできない組員たちの集まりに、少し緊張しながらも胸がワクワクしている。

 会場に入ると、すぐにメンバーたちの明るい声が飛んできた。

「おお、姫! 今日も可愛いな!」

 「ひまりちゃん、その髪型似合ってる!」

 「うわ、羨ましい! 総長のそばにいるとか最高じゃん!」

 メンバーたちは私を取り囲むようにして褒めてくれる。
 照れくさくて、思わず笑いながらも、自然と顔が赤くなる。

 その様子を横で見ていた蓮先輩の表情が、少しだけ硬くなる。
 手をぎゅっと握り、唇をきゅっと結ぶその仕草に、胸がドキリとする。

「……ひまり、俺だけを見ろ」

 低くささやかれる声に、思わず目が合う。
 その視線は真剣で、でも少しだけ嫉妬混じり。
 胸の奥が熱くなり、私も思わず手を握り返す。

「はい……蓮先輩だけを見ています」

 私の返事に、蓮先輩はにやりと笑い、ぐっと私を引き寄せる。
 腕の中で少しだけ力を強めて抱きしめられ、ドキドキが止まらない。

 集会の中でも、メンバーたちは私をからかってくるけれど、蓮先輩はすぐに間に入って、私を守るように体を寄せる。

「誰にも触れさせるな……俺の姫だ、ひまり」

 その言葉に、思わず頬が熱くなる。
 でも嬉しくて、自然と体を彼に預ける。

 集会が進む中、蓮先輩の腕の中で安心しながら、私は小さく微笑む。
 ――ちょっとヤンデレ気味でも、これが蓮先輩の愛なんだな、と改めて感じる瞬間だった。