今日は学校も休みで、蓮先輩と二人きりの休日。
 少し緊張しながらも、胸がドキドキしている。
 約束通り、蓮先輩が迎えに来てくれた。

「ひまり、準備できたか?」

 低くて落ち着いた声。
 その声だけで、体の力が抜ける。私は笑顔でうなずいた。

「はい……蓮先輩」

 手をつないで歩くと、自然と心が温かくなる。
 今日はどこに行くのかな、と少しワクワクしながら後ろをついていく。



 最初に向かったのは、近くの遊園地。
 観覧車の前で立ち止まると、蓮先輩がにやりと笑った。

「乗るか?」

 頷くと、二人きりのゴンドラに乗り込む。
 上昇していく中、景色がどんどん広がり、夕日が街をオレンジ色に染める。

 私は少し緊張して、蓮先輩の腕にそっと寄り添った。
 すると、蓮先輩も自然と手を回してくれる。
 その温もりに、胸の奥がじんわり熱くなる。

「ひまり……高いところ、怖くないか?」

 耳元でささやかれる声に、思わず顔が赤くなる。

「大丈夫です……蓮先輩が一緒だから」

 蓮先輩は小さく笑い、私の頭を軽く撫でる。
 まるで、世界に二人だけがいるような感覚。



 その後、ゲームセンターやカフェにも行った。
 景品を取り合ったり、二人で甘いスイーツを食べたり――
 いつもは見せない蓮先輩の柔らかい笑顔に、私は何度も胸を打たれる。

 そして最後は、公園のベンチで休憩。
 夕暮れの風がそっと頬を撫で、蓮先輩の手が自然に私の手を包む。

「ひまり……今日、一日楽しかったか?」

「はい、とっても……」

 小さく答えると、蓮先輩はぎゅっと手を握り返す。

「……俺の姫と一緒なら、毎日が楽しい」

 その言葉に、私は胸が熱くなる。
 夕日の中で、蓮先輩の腕にそっと寄り添いながら、心の奥で誓う。

 ――どんなことがあっても、私は蓮先輩のそばにいる。
 ずっと、永遠に――。