最悪だ、、
「転校生がうちのクラスに来るって!しかも女の子!」
「マジ?!」
そんな声がいくつも聞こえてくる。
あといつものことになってるが
「祐斗君ってさ結構かっこよくない」
「わかる〜」
、、、うるさい、
「でも告白は全部断ってるって噂だよ」
「好きな人でもいるのかな」
なんだよ俺の事か?勝手に色々言うなよ!
でも無理だそんなこと言えるわけが無い。
「席につけー転校生来たからなー」
、、、夢の人じゃなければないといいんだが。
ガラガラと教室の扉が開き黒髪ロングのブレザー姿の女の子が入ってきた。
夢で見たあの笑顔の顔と同じ人だ。
最悪だ。低い確率で彼女が死ぬかもしれないなんて嫌だぞ俺は
「浜名玲菜ですよろしくお願いします」
笑った。
あの夢で見た笑顔と全く同じだ。
しかも少し悪寒がする。
あぁ、確定した。
この子は死ぬんだ。
「神田さんの隣が空いてるからそこに座ってください」
そういった先生は俺の隣の席を指さした。
本当に最悪だ隣がいない窓側の一番後ろだった。
そこそこ満喫してた。
「よろしくお願いします」
そう小声で玲菜は言った。
「よろしく」
俺は頬杖をつきながら窓の外を見てたから少し素っ気ない感じになった気がする、嫌な奴だと思われてないだろうか。
「私最初の1週間程教科書がないのです、見せて欲しいのですが、いいですか?」
申し訳なさそうに手を合わせて言う。
多分だが悪印象は与えていないみたいだ。
「いいけど対価は」
「え、対価?」
玲菜はぽかんとして聞いたその顔もそのままだ。
「冗談気にすんな」
「冗談でしたか、びっくりしたんですけど」
ほっとした様子で笑みがこぼれたみたいだ。
「はい教科書あ、あのな、、机くっつけることになってごめんな」
玲菜は驚いたようで
「いや、大丈夫です、!あぁ、そうです、私のことは下の名前の玲菜で呼んで欲しいんです」
「それ自己紹介で言わないのか、?」
「席が隣になった方にだけ言うようにしてますので」
不思議な人だな、そういえば俺自己紹介してないな
「じゃあ俺は祐斗、神田祐斗だ」
「よろしくお願いします祐斗君」
この時間は授業の最初の少しだけだったが無意識に楽しんでいたそんな瞬間だった。