政略的皇女は隣国の第2皇子に嫁ぐ

その日はテオドール様と夕食を共にしました。
なぜか食欲がないと言って途中で退席していましたけれど。

私はその後ゆっくりと湯浴みをし、薔薇の香りをたきしめて、寝室へ向かいました。

先にテオドール様が待っていたようで読書をしていたようでした。
まあ、なんて勤勉な方なのでしょう。


「遅くなり申し訳ないですわ」

「別にいいです。女性は時間がかかりますしね。では、おやすみなさい」


そう言って本をパタンと閉じるとベッドに潜り込み、こちらに背を向けてしまいました。
まあここまでは想定通りですわ。

私はニヤッと笑ってからベッドへ入ると先程たきしめた薔薇の香りをふわっと撒き散らしました。
するとテオドール様はしばらくは我慢していたのですが、ついに音を上げたのかガバッと飛び起き、いかにも不機嫌な態度でいました。


「あらどうかなさいましたか?私に構ってくれなくて仕方なく強硬手段に出たのですが…。あ、薔薇の匂いはお嫌いでしたか?申し訳ございません、次は違うお花の香りを纏ってきますね」

「違います!あいや、違わないのですが…。とにかく言いたいのは!構ったりするのは愛を求めることに匹敵するので期待しないでくださいと言いましたよね!?あと僕は花の匂い全般が嫌いです!!明日に差し支えるので早く寝ます!」


そうベラベラと一方的に話すとすやすやと寝てしまいました。

私はそっと寝顔を覗き込むと、彼の長いまつ毛、吐息に思わず罪悪感を感じてしまいました。
少しイタズラがすぎましたかね?
私はその日は勘弁して静かに眠ることにしました。
もちろんお互い背を向けて。