君に出会えたから

「っ、ありがとう、山田君」













君に出会ってから世界が変わった




















1・私の家族
私は、幸せだった。そのままでよかった。楽しかった。嬉しかった。


ある日、小学二年生のとき、その幸せが壊れる音がした。聞いてしまったんだ。

「もう!やめてください!あなた!限界です!」

―――――――ガシャン!バリン!―――――――

「きゃあっ!痛いっ!」

「俺も限界だよ!ふざけるな!何が『やめてください』だ!『限界です!』だ!

俺もやりたくてやってるわけじゃ、ねえんだよっ!」

―――――――バンっ!ドンっ!―――――――

「きゃあああああっ!!ごめんなさいっ!わ、私が、私が、悪かったですっ!痛い!



やめてくださいっ!お願いしますっ!」

私は、見たんだ、お母さんのあたまをつかんで、持ち上げるところを。

そのあとも色々されていた。

その日は、お父さんに何されるかわからなくて、怖くて、悲しくて、あまり寝ることができなかった。



次の日、いつも通りに学校に行って、帰ってきたらお母さんはこう言った。

「お母さん限界でね。お父さんと離婚することにしたの。ごめんね」

「…」

お母さんは優しく涙声ごめんねと何回も謝りながら抱きしめてくれた。

その日から、お父さんの姿を見ることなくなった。

事件はそのあとに起きた。

私は、小学四年生。普通恨むならお父さんだ。

だけど、私の場合…お母さんを恨んだんだ。

小さくてあまり分からなかったからっていうのもあるけど、

なんで、私だけおとうさんがいないの?なんで、おやつを食べれないの?

なんで、他の子と違うの?って、今考えると、

多分、お父さんがいない分お金がなかったんだろうね。

そうやって、色んな疑問が生まれた。結果、お母さんを恨んだんだ。

苦しくて、悲しくて、嫌で、楽しくなくなって、

嬉しくなくなって、いろんな感情が混ざったんだ。

 お母さんに復讐をしようと思い、視線が私に向いてないときに、思い切り押したんだ。

私は、まだ四年生だったけど、背も高いほうで力もちゃんとあった。

そうすれば力が入っていなかったのか、お母さんは、ふらつき、足をぐねった。

そして、お母さんは……走ることができなくなった。

元々マラソン選手を目指していた、お母さんにとっては、一番嫌な事だったは

ず。私は、世界で一番最低な事をした。

最悪な子供だ。

それでもお母さんは、私を見捨てず、現在、高校一年生まで、育ててくれた。

元々、私は勉強が得意というわけではなかったけれど、

そんな、お母さんのためにたくさん頑張った。