秘密な恋愛

年明け、
お正月。

今日は
“佑陽の父親”
との初対面の日。

いつもの私服とは違い、
清楚なワンピース姿の芽依。
佑陽はカジュアルなジャケット姿。

なぜかというと。

「つうかもっと場所あっただろ··」
“はぁ”
と呆れたようにため息をつく佑陽。



「うぅ···心臓痛い··」
隣ではガチガチに緊張する芽依。

佑陽の父親が呼び出したのは
高校生の2人には縁がないような
料亭だった。


「大丈夫か、芽依」
緊張する芽依の頭を、
心配するように
撫でながら顔をのぞき込む。


「ん···。ねぇ佑陽くん」
「ん?」
「本当に大丈夫かな、これ···」

そう話しながら
1つの手土産をみせる。

「うん。芽依らしいし、いいと思うけどな」

手ぶらではいけないと、なにがいいか考えた結果、佑陽から聞いた父親の好きなお菓子を作ってきた芽依。
中身は、佑陽のお母さんが昔よく作っていたという、パウンドケーキ。


​「親父、昔からそれだけはバカみたいに食うんだよ。」

「味は保証しないよ?!」

「美味かったし。それ多分、親父が好きな味」

昨日、佑陽に味見をしてもらっていた芽依。
佑陽から
“大丈夫”
と言われていても、
緊張しないわけがなかった。