秘密な恋愛

「その逆だって」

​佑陽は芽依の涙を親指の腹でそっと拭い、そのまま包み込むように両手で芽依の頬に触れた。

​「確かに、事故の知らせを聞いた時は、頭が真っ白になって心臓が止まるかと思った。母さんの時と同じだって、最悪なことばっか頭をよぎって、生きた心地がしなかったのは本当。···だけどさ」

​佑陽は少し視線を落とし、愛おしさを噛み締めるように微笑む。


​「芽依が目を覚まして、また俺の名前を呼んでくれたとき。ちゃんと戻ってきてくれたって。今度は大丈夫だって。俺のこと、安心させてくれた。」



「だから、芽依が俺を苦しめたんじゃなくて、芽依が俺の過去ごと、救ってくれたんだよ」

​佑陽の温かい言葉と言葉の奥にある深い愛に、
芽依の胸はこれ以上ないほどいっぱいに満たされていく。

​「佑陽くん···っ」

​「もう泣くなよ笑。目、腫れる」

いたずらっぽく笑う佑陽に言われて、芽依は小さく頷きながら、両手で一所懸命に涙を拭った。

​「うん·っ··」