秘密な恋愛

しばらくすると
芽依の涙も止まった。


「··よし、今からクリスマス。芽依、どこ行きたい?」

芽依の様子をみて、
佑陽は話題を変える。


「えっと···。あっ··」

芽依はふとあることを思いだす。

「ケーキ···」

「ケーキ?」

「さっきまで、作ってたの。ケーキ··」

先程まで泡立てていた
作りかけのケーキを思い出す芽依。

(だから甘い香りしたのか、芽依)


「本当は··佑陽くんと一緒に食べようと思ってて。材料買ってたの。··気紛らわせたくて、気づいたら作ってた」


そんな芽依に
ふと軽く笑う佑陽。

「それ。一人で食べる気だったのか?」
「違うもんっ···」

少しだけ、恥ずかしそうにする芽依。


「じゃあさ。それ完成させよ。俺も食いたい」


​佑陽はそう言って、芽依の手を自分のコートの
ポケットへとしまい込んだ。
ポケットの中で、2人の指が自然と絡まり、
ぎゅっと強く繋がれる。
お互いの体温がじんわりと伝わってきて、

芽依の冷え切っていた身体が内側からポカポカと温まっていった。


​「うん」
​嬉しそうに頷く芽依の手を引いて、
佑陽は公園から芽依の家へと歩き出した。