秘密な恋愛

「···芽依··」

佑陽はゆっくり立ち上がり

目の前の芽依を
抱きしめた。



(佑陽くん··冷たい··)

​抱きしめられ
鼻をくすぐる佑陽の香水の甘い香り。

寒空の下で待っていた悠陽の身体は
驚くほど冷えていて、
だけど芽依を抱きしめる腕の力は、
痛いくらいに強かった。

​背中に回された大きな手が、
かすかに震えていた。


いつも余裕そうで完璧な彼が、
自分のついた最低な嘘のせいで、
こんなにも必死になって自分を抱きしめている。

​その温かさと切なさに、
芽依の目からまた涙が溢れそうになった。


「良かった。来てくれた··」

先に出た言葉は
意外だった。


てっきり責められるんじゃないかと
思っていた芽依は
驚きで声がでなかった。
その代わりに、涙が溢れでる。


「っ··」

芽依は
キュ··と佑陽の胸元を握りしめた。


「ごめん···なさい··」

苦しそうに声を押し殺して
謝る芽依。