秘密な恋愛

“佑陽くんは佑陽くんでしょ?”

あの言葉がなかったら。
きっと芽依を好きになってなかった。

それくらい、佑陽にとっては大事な言葉だった。

その言葉を、 記憶を無くした 今の芽依から
また言われ、 泣くのを我慢なんて出来るはずがなかった。


(どうしよ···)
芽依は目の前で泣く佑陽が見てられず···
思わずそっと抱きしめた。


ドキ··
「め··い···」

ぽつりと小さな声で 芽依の名前を呼ぶ佑陽。



「泣かないで···? 」
そっと芽依は佑陽の背中をさする。
小さな身体で キュッと佑陽を慰めるように。



その温かさが 佑陽には嬉しかった。

(落ち着く···)
「わりぃ··。しばらくこうしてていい··?」


佑陽の言葉に芽依は
「ん···」 と小さく頷く。





しばらくして。

(なんか俺···)
落ち着いたのか佑陽はそっと芽依から離れ

「俺。なんかダサいな···」
とふと軽く笑う。

「ダサくないよ?」
困ったように芽依は 笑いかける。


(俺が芽依を守んなきゃいけねぇのに。これじゃあ···逆だろ···)