秘密な恋愛

“また明日な”

その言葉は優しかったのに。
胸の奥が、じわっとざわつく。


(用事って、なんだろ···)

今までなら、そんなこと考えなかったのに。

芽依はぎゅっとお弁当箱を抱きしめる。

さっきまで温かかった空気が、
少しだけ冷えた気がした。


(私···何か言っちゃった?)

“作ろっか?”
って言ったから?


もしかして、重かった?
キュッと胸が締まる。


「考えすぎだよね」
小さく呟く。


どこかモヤモヤとする気もち。
それが、ほんの少し怖い。

さっき触れた手の温もりを思い出す。
優しかった。
ちゃんと、優しかった···

なのに
「なんで不安になるの···」

胸の奥が、じわっと熱い。
好きかどうか、まだ分からない。

でも
離れていく背中を見たとき。
あんなに苦しくなるなんて。

“寂しい”
という気もちが
ふと芽依を襲った。