秘密な恋愛

芽依も帰り、昼過ぎの校内。
芽依を送ったあと、
屋上でぼーっとする佑陽。
そこへ

「サボるなよ、俺様ウェイター」
と茶化す翔多。

「うるせぇ··」

「良かったな。今日、芽依ちゃん楽しそうでさ」

翔多の言葉に、
「ん···」
と、どこか上の空な佑陽。


「···なに?どした?笑」

“はぁ”
と佑陽は軽くため息をつき、

「無理だ、俺··」

「は???」

ガシャン、とフェンスにもたれかかる佑陽。


「耐えらんねぇ··」

その様子で、なんとなく察する翔多。
「今日、他のやつに芽依ちゃん絡まれてた時、触れてただろ。」


「あれ、無意識。」

「··重症だな。」


佑陽は少し間を置いて、
「今日。芽依が、過去の記憶思い出すまではいかなかったけど。なんか、知ってる感じのこと言ってきてさ。··抑えんの必死だった。教室から連れ出そうかと思ったし。」

「いっそうのこと、しちゃえばいいんじゃね?キス」


「···出来ねぇよ。困らせるし。芽依のこと。」
切ない表情で呟く佑陽。


翔多はしばらく黙り込み、
「大切すぎて、ってやつか。」


「···分かってたけど。想像以上にキツいな」
佑陽は、少し困ったようにふっと笑う。

「いや。ほんと、お前すげぇよ。普通なら、ここまで我慢できねぇわ」
翔多はフェンスに背中を預けたまま、
ふと空を見上げた。