秘密な恋愛

佑陽は逸らしていた視線を芽依に戻し、

「なら、やろっか? 同じこと」
そう呟いて、意地悪な笑みを浮かべる。

その瞬間、
時間が止まったみたいに感じた。
文化祭のざわめきが、遠くへ引いていく。

キュッと芽依の胸が締めつけられ···
「何を··?」

「なんだろうな?」
わざと余裕そうな表情の佑陽。



(何これ···)

知りたいような。
でも、少し怖いような。
ドキドキと胸が苦しくなる芽依。


「や、やっぱり大丈夫!!」
そう言って、
緊張をごまかすようにドリンクを口にする。

その姿を見て、佑陽はふっと笑った。


「佑陽くん、お仕事しなくていいの···?」
「してるだろ。こうやって接客」
「してないよ、笑」

芽依が小さく笑う。
その笑顔に、
さっきまでの意地悪な空気がふっとやわらいだ。



「···ほんとにそろそろ戻るわ。サボってるって翔多に言われるし」
「うん」

「芽依は? まだあんまり無理できねぇだろ?」
「そうだね···そろそろ帰ろっかな」

「帰るとき声かけろよ。途中まで送る」
その一言に、
芽依の胸がキュッと跳ねる。

「···うん」