秘密な恋愛

午前の授業。
黒板の文字は目で追えてるのに、
頭の中には何も入ってこない。
たった1日会ってないだけなのに。

(芽依に会いてぇ···)

でも頭には、昨日のことが蘇る。

(俺が芽依を困らせるなら···

芽依と距離を置いたほうがいいんじゃないか··。
そう、考えてしまう。



昼休み。
屋上···


風が少し冷たくて、
フェンス越しに見える空だけがやけに青かった。

佑陽は一人でフェンスに背中を預けたまま、
ぼんやり下を見下ろしていた。


その時。
「食う?」
背中の方から、軽い声。

振り返ると、翔多が袋をぶら下げて立っていた。
中には菓子パンが何個か入ってる。

「··ん」
佑陽は短く頷いて、受け取る。


「で。いつまでその顔してんの」

「どの顔だよ」

「死んでる顔」
即答で話す翔多。

「···うるせぇ」
佑陽はパンを口にするも
味なんてわからなかった。