秘密な恋愛

(トイレ···)
芽依はゆっくりベッドから降りて、
点滴スタンドを押しながら病室を出た。

病室のドアを閉めようとした、その時
ドアの取ってに、
紙袋が掛かっているのが目に入った。

「···?」
覗くと 中には、小さな花束。
淡い色の花が数本、 優しく束ねられている。

(かわいい···)

でも、それより胸がざわついた。
これ、誰が···?

芽依は紙袋をそっと持ち上げて ナースステーションへ向かう。
「あの、すみません」

「どうしたの、芽依ちゃん?」
看護師がにこっと笑う。

芽依は紙袋を差し出しながら、
少し困ったように言った。

「これ。病室のドアにかかってて」

すると看護師は
「あれ?」
と首を傾げ、すぐに思い出したように言う。
「それ、たしかさっき···佑陽くんが持って来てたよ?」

「···え」
その言葉に 芽依の心臓が、ドクンと跳ねた。

「佑陽くん···来てたんですか?」

「来てたよ?会ってないの?」
看護師は不思議そうに目を丸くする。

「会って···ない」
芽依がそう答えると
看護師も「あれ?」と眉を寄せる。