秘密な恋愛

拓海の声は少し震えていた。
自分でもわかるくらい、余裕がない。

「拓海くん···?」

芽依に声をかけられ、
拓海は拳をぎゅっと握りしめた。

「芽依。今日、俺がここに来たのは···事故のこともあるけど」

少し息を吸って、続ける。

「もうひとつ、謝らなきゃいけないことがあって来た」

「え?」

「俺らが、付き合ってた時のこと」

その言葉に、
ドク···と芽依の胸が痛む。

ちゃんと覚えている。
拓海の部屋で
キスより先へ進もうとした時。

芽依はまだ怖くて拒否した。
その時、拓海に言われた。

「無理なら、俺もう芽依と付き合えない」
そして、そのまま別れを切り出された。

「···うん。覚えてるよ」

その返事に、拓海は顔を歪める。

「ごめん、芽依っ··」
短い言葉なのに、必死さが伝わってくる。


「···っ」
芽依はどう返せばいいか、わからない。