秘密な恋愛

コールが三回鳴ったところで、


『芽依?』

その声を聞いた瞬間、
芽依の心臓がとくん、と跳ねた。

「佑陽くん···?」

『どした?』
電話越しでもわかる、やさしい声。
その声に、胸が熱くなる。

芽依は小さく息を吸って、

「おはよ··」
緊張で少し震える声で、芽依は呟いた。

その瞬間。
電話の向こうの佑陽が、
一瞬だけ、言葉を失った。

(芽依····読んだのか?)

沈黙が怖くなって、芽依は慌てて呼ぶ。
「佑陽くん?」

すると、
佑陽は電話越しなのに、
ふっと柔らかく笑って。

『芽依。おはよ』
まるで、目の前にいるみたいに。
優しく、丁寧に。

その言葉に、芽依の胸がきゅっと痛む。
(あ、だめ···)
涙がこぼれそうになるのを堪えていると、

『ありがとな』

ぽつり。
あまりにも静かな声で言われて、
芽依の喉が詰まった。

「え···?」

『···いや。なんでもねぇ』

誤魔化すように言う佑陽。

けれど···
その声は少しだけ震えていた。