秘密な恋愛

しばらくして。
「落ち着いたか?」
「ん、大丈夫··」
芽依は小さく頷いた。

「そっか」
佑陽は椅子に腰を下ろし、
静かに芽依の手元へ視線を落とす。


「これ、毎日書いてくれてたの?」
芽依の声はまだ少し震えていた。

佑陽はほんの少し間をあけて、
小さく頷く。

「芽依が起きた時にさ」
視線を逸らしながら、ぽつり。

「起きるまでにあったこと、少しでも知ってほしくて」

「俺、話しかけることしかできなかったし」
それから、少し苦しそうに笑って続けた。

(佑陽くん···)
佑陽の辛そうな表情をみて
胸が苦しくなる芽依。


「でも」
佑陽は芽依の泣きはらした目をみて
眉を寄せる。

「芽依のこと、こんなに泣かせるつもりじゃなかった」

「書かなきゃよかったって思ったわけじゃねぇけど···」
少しだけ声が低くなる。


「泣いてる芽依、見たくなかった」
どこか悲しそうに揺れる佑陽の目。