『芽依へ。』
「私に?」
『〇月〇日
昨日事故にあって、今日病室に来たら芽依は起きてると思ってた。···早く起きろよ。』
『〇月〇日
中谷が学校で泣いてた。
芽依が起きたら、抱きしめてやってな。』
『〇月〇日
翔多が“佑陽、お前顔やばい”って言ってきた。
俺だって普通でいたいよ。でも無理。芽依がいない。』
『〇月〇日
芽依の好きそうなカフェ見つけた。今度一緒に行こうな。』
『〇月〇日
芽依、寝顔まで可愛くてずるい。』
『〇月〇日
芽依。···芽依の声、聞きたい。』
事故があった日から、芽依が目を覚ますまで。
毎日、毎日。
誰かがここに来て、芽依に話しかけて、
その想いを、こうして残していた。
(これ····)
ページをめくる指先が震える。
(佑陽くんだ……)
名前なんて書いていないのに。
それでも、わかってしまった。
佑陽は毎日
芽依のそばにいて。
芽依に話しかけて。
泣きそうになりながら、必死に耐えて。
このノートに、芽依のいない世界を綴っていた。
「っ···」
気づけば、涙がぽろぽろと落ちていた。
(こんなに···私のこと、想ってくれてるのに)
なのに私は
“そんな人を、忘れてしまった。”
胸の奥に広がるのは、罪悪感。
そして、言葉にできないほどの切なさ。
芽依はノートを胸に抱きしめたまま、声を殺して泣いた。
「私に?」
『〇月〇日
昨日事故にあって、今日病室に来たら芽依は起きてると思ってた。···早く起きろよ。』
『〇月〇日
中谷が学校で泣いてた。
芽依が起きたら、抱きしめてやってな。』
『〇月〇日
翔多が“佑陽、お前顔やばい”って言ってきた。
俺だって普通でいたいよ。でも無理。芽依がいない。』
『〇月〇日
芽依の好きそうなカフェ見つけた。今度一緒に行こうな。』
『〇月〇日
芽依、寝顔まで可愛くてずるい。』
『〇月〇日
芽依。···芽依の声、聞きたい。』
事故があった日から、芽依が目を覚ますまで。
毎日、毎日。
誰かがここに来て、芽依に話しかけて、
その想いを、こうして残していた。
(これ····)
ページをめくる指先が震える。
(佑陽くんだ……)
名前なんて書いていないのに。
それでも、わかってしまった。
佑陽は毎日
芽依のそばにいて。
芽依に話しかけて。
泣きそうになりながら、必死に耐えて。
このノートに、芽依のいない世界を綴っていた。
「っ···」
気づけば、涙がぽろぽろと落ちていた。
(こんなに···私のこと、想ってくれてるのに)
なのに私は
“そんな人を、忘れてしまった。”
胸の奥に広がるのは、罪悪感。
そして、言葉にできないほどの切なさ。
芽依はノートを胸に抱きしめたまま、声を殺して泣いた。



