秘密な恋愛

翌日。
病室の窓から差し込む太陽の光が
暖かく心地よい。

昨日よりも、少しだけ身体が楽になった気がする芽依。

「ふぅ···」
芽依はベッドの上で、ぼんやりと天井を見つめる。

家族も、由奈も、翔多も
ちゃんと覚えている。

名前も、声も、表情も。
けれど。

(どうして、佑陽くんだけ?)

“彼氏”だと言われても、
“大切な人”だと言われても。

どうしても思い出せない。
声を聞くと、胸が締めつけられる。

抱きしめられた温もりも、どこか懐かしい。

なのに、記憶だけがぽっかり抜け落ちている。

「わかんない···」

芽依はシーツをぎゅっと握りしめた。
苦しくて、悔しくて、情けない。


その時、ふと
枕元の棚の隅に置かれた、
一冊のノートが目に入った。

「なんだろ···」

芽依はそっと手を伸ばし、
ノートを取る。

ゆっくりとページをめくる。
すると、そこには
丁寧な文字が、びっしりと並んでいた。