秘密な恋愛

ロビーのソファー。

涙で溢れた佑陽は、
顔を隠すように片手で目元を押さえたまま
動かなかった。

翔多は何も言わず、ただ隣に座って、
佑陽の背中をゆっくりさする。


しばらくして。
佑陽が小さく息を吐いた。

「なぁ、翔多」
「ん?」

「俺、どうしたらいい」
かすれた声。

「芽依が目、覚ましたってだけで、ほんとは死ぬほど嬉しいのに」

拳を握ったまま、俯く。

「俺のことだけ忘れてるとか···意味わかんねぇ···」

翔多は目を伏せて、少しだけ考えてから言った。

「佑陽」

少し間を置き

「今な、芽依ちゃんは“戻ってきた”ばっかなんだよ」


佑陽は顔を上げない。
翔多は話しを続ける。